復活の狼煙

ログインID及びパスワードを忘れる事、幾年月。
気付けば何年間も放置プレイをかましていた事、否、そもそもこんなBlogが存在していたことを思い出し、ログインにトライ。
昔、あれほど思い出そうと思っても思い出せなかったパスワードを何回目かのトライで思い出し、いとも簡単にログイン。

このBlogを放置していた2年間、様々な事がありました。
VJしたり、VJしたり、VJしたり、やっぱりVJしたり。
チーム解散やら、別チーム結成やら、アップルストアでのセミナーやら、映像制作やら、映像演出やら、ライブVJへの進出やらと、思い返せば駆け足で結構色々してきた気がします。
2年前の自分から見れば、まさか幕張メッセで7、8000人のお客さんの前でVJしたり、Blitz規模をコンスタントにこなすようになったり、そもそもライブVJに進出してるなんて想像の範囲外でした。

様々な事を学び、様々な人々と出会った2年間。
この経験を文章として、気が向いた時にまとめていきたいと思います。

チームについて

今回はVJをはじめる/やっていく過程においてチームを組むことの是非を考えます。
結論から書くと、チームを組めるなら組むにこしたことはないです。
まずチームを組んだ場合の利点を述べます。
まず、第一に機材の利点。これは2種類あり、前者は機材購入資金、後者は機材運搬になります。
VJをはじめる/やっていく過程において、かなりの機材もしくはソフトとそれ伴う投資金額が必要に
なります。また、実際に機材を増やしていったとき、物理的な運搬方法の壁が立ちはだかります。
もしチームを組んだ場合は、投資資金の一人当たりの負担額、機材運搬の一人当たりの運搬量は当然
楽になります。
また、意外と重要なのが本番時にトラブルが起こった際です。1人っきりで対処するよりは、当然2人
で対処した方が楽です。
更に、体力/精神的な負担を考えた場合、例えば一晩中1人でプレイするよりは、2人でプレイした方
が遥かに楽な上に、2人の演出方法が違えばお客様も飽きにくいです。
これらの利点を考えると、チームを組んだ方が1人でやっていくよりよいと思います。


ただ、当然1人でやれないわけではないですし、現に1人でやっているVJも沢山います。
あえて1人でやるのも選択肢の1つではありますが、私個人としてはチームを組むこと、組めないor組
まないならばVJ仲間を作ることを強くお勧めします。



CODEC(コーデック)とはなんぞや

次回、製作した映像ファイルのEncode方式について説明する予定なので、今回はまずCodecについての説明を行います。


Codec(wikiより引用)
コーデック (Codec) は、符号化方式を使ってデータのエンコード(符号化)とデコード(復号)を双方向にできる装置やソフトウェアなどのこと。
また、そのためのアルゴリズムを指す用語としても使われている。
コーデックには、データ圧縮機能を使ってデータを圧縮・伸張するソフトウェアや、音
声や動画などのデータを別の形式に変換する装置およびソフトウェアが含まれる。
コーデックはもともとデータをデジタル通信回線で送受信するための装置を意味する、
電気通信分野の用語であった。語源は、coder/decoderの略語である。




つまり、Codecとは、端的にまとめると映像のファイルを圧縮/解凍する為のソフトです。
そもそも何故、映像ファイルの圧縮が必要かというところから説明します。
映像ファイルは圧縮を行わない状態では、非常に大きなサイズになってしまいます。
例えば、無圧縮で10秒間の長さ、フレームレートが30fpsの映像ファイルがあるとすると、
この映像ファイルは端的に1秒間30枚の静止画ファイルを10秒間集めたもの、
つまり30枚×10秒=3000枚の静止画ファイルを集めたものだと言い換えることができます。
また、高画質になればなるほど静止画ファイル1枚あたりのサイズは比例級数的に大きくなっていきます。
このことから、無圧縮の映像ファイルが非常に大きなサイズになってしまうのは想像に難くないと思います。
そこでEncodeを行い、映像ファイルを圧縮し、サイズを小さくして取り扱います。
また、それを再生するには圧縮された方式に従ってDecodeを行い、映像ファイルを解凍します。




これに関するよくある事例は、友人から渡された映像ファイルが自分のPCでは再生できない、友人に渡した映像ファイルが友人のPCでは再生できないという問題です。
この問題の原因の多くは、自分もしくは友人のPCが、再生しようとする映像ファイルのCodecを持っていないことです。
CodecはEncode/Decode1対になっているので、映像ファイルを再生しようとするPCが持っていないCodecでEncode(圧縮)されたファイルは、
当然Decode(解凍)できないので、再生できません。
また同じような事例で、VJソフトに読みこませても再生されない映像ファイルがあったときは、
その動画ファイルのCodecにVJソフトが対応していない可能性が高いので、VJソフトの仕様を調べる必要があります。



素材の制作 ソフト編

VJ始めて間もない頃は、手持ちの映像素材と言っても、Youtube等の動画サイトやDVD等からサンプリングした動画、
映像素材集、ネットに転がっている著作権フリーの素材、VJソフト付属の素材の割合が多いかと思います。
ただ、最初は映像素材の自作に興味がなかった方も、VJを長くやればやるほど自作に興味が沸いてくる場合が多いです。
(少なくとも欧州ではサンプリングのみの映像を取り扱うVJも1ジャンルとして確立されているようなので、
ずっとサンプリングだけにこだわり続けるのもそれはそれでよいと思います。(ただし、サンプリング元の映像の権利所有者の許可がなければ違法ですが))
そこで、今回は各映像素材の製作にあった方が便利なソフトを紹介します。




【実写系】
デジカメやDVカメラ等から取り込んだ映像をそのまま流すのではなく、映像にエフェクトを加えたり編集を行う場合にあると便利なソフト。
長尺の映像編集をする場合
Adobe/Premiere
Apple/Final cut
あくまで個人的な感想ですが、使い勝手はPremiereよりFinal cutの方が優れています。
これらのソフトは長尺の映像編集には優れていますが、動画にエフェクトを加えたりアニメーションを加えたりするには、
下記のソフトを使うというのが一般的です。(ただ、簡単なエフェクトならこれらのソフトでも加えることが可能です。)


比較的短い尺の映像にエフェクトをかける場合
Adobe/After effects
Apple/Motion
使い勝手はmotionもAfter effectsも一長一短ですが、価格面ではMotion(Final cut pro(定価10万程度)のソフトに同梱されています)、
機能面、拡張性ではAfter Effectsの方が優れています。
またAfter effectsに関しては、他社から多種多様なプラグインが販売されていますので、できればAfter Effectsの使用をお勧めします。




【CG系】
元となる絵を作成する場合
Adobe/illustrator
Adobe/Photoshop
Adobe/FireWorks
これらのソフトは絵を動かすための機能は備わっていないため、動かしたい絵/テキストや動かしたい動作を描くソフトになります。


絵を動作させる場合
Adobe/Flash
Adobe/After effects
作られた絵を動かすためのソフトになります。(絵自体も作成できますが、あくまで補助的な機能です。)
どちらのソフトも使いこなせば非常に高度な動画を作成することが可能ですが、専門書を読むなどして知識/技術を十分に身につける必要があります。


3DCGを作成/動作させる場合
・MAXON/Cinema4D
・Autodesk/3ds max
3DCGを作成/動作させるソフトになります。私はCinema4Dしか使ったことがありませんが、このソフトは豊富なプラグインに加え、
After Effectsとの連携も可能、且、ソフトの動作自体も極端に重くない便利なソフトです。ただし、日本語の説明書がないため英語が必要になります。




以上、基本となるソフトを紹介させていただきましたが、デモ版などを実際に使ってみて、自分が使いやすいソフトを使用するのが一番よいかと思います。

ビデオミキサーとビデオスイッチャーの違い

既に機材/ハードの項目にて、ビデオミキサー、ビデオスイッチャー共にそれぞれ説明をしましたが、
どちらも似たような機能を持ったものになるので、改めて両者の違いを説明します。


まず、改めてビデオミキサーの説明を行います。
複数の映像入力信号を、ハードウェア制御によって、カットインだけではなく、
フェードやワイプ等の特殊効果を加えながらミックスすることが可能な機材です。
特長としては、映像切り替え時にノイズ等による画面の乱れがありません。
ただし、欠点として比較的機材が高価である上に、重く嵩張ります。


次に、ビデオスイッチャーの説明を行います。
複数の映像入力信号に対して1つの映像出力が可能になっており、スイッチを操作することによって、
どの映像入力信号を出力するか切り替えることが可能な機材です。
特長としては、非常に安価に手に入る上、機材自体も小さく軽いので持ち運びが容易です。)
ただし、欠点としては映像切り替え時にノイズ等による画面の乱れ、一瞬の暗転等が必ず発生します。
(注意:クラブVJ用途に用いられるビデオスイッチャー(もしくはセレクタ)は、主に民生品であり、上記のような特徴を持ちます。
しかし、業務用のものには、入力・出力の端子が各複数あり、どの入力をどの出力に繋げるか等を細かに設定可能であり、
また画像の劣化や切り替え時の画像の乱れがありません。(ただし、非常に高価な上、重く嵩張るために持ち運びが困難です。))


結論としては、どちらも複数の映像入力を可能にすることは変わりないのですが、
ビデオミキサーはスムーズな映像切り替えを、ビデオスイッチャーはラフな映像切り替えを可能にする機材になります。


どちらの機材も、プロジェクタへ複数の機材接続を可能にするので、
まずは安価なビデオスイッチャーから取り入れ、将来的にビデオミキサーを導入するのが個人的にはお勧めです。
PC1台だけ、DVDプレイヤー1台だけでVJをするのは危険(機材トラブルが起こったら、その間は映像が途切れることになる)なので、
トラブル時のサブ機材(例:DVDプレーヤー、携帯動画プレーヤー等)接続用、また複数のVJとプレイする際にも役立つので、どちらかは持っておくと便利な機材になります。



映像素材の準備 -2-

まず結論から書きます。
物凄いクオリティの5分の映像素材を1個作るよりも、
3〜18秒位の簡単なループ映像を100個作った方が、表現に幅が出ます。


ただし、映像素材の準備-1-でも述べたとおり、最初は映像素材をほとんど持っていないのが当たり前です。
それがVJとしての最初の一歩を踏み出すハードルを上げていることは否めないのですが、映像素材を増やすこと自体は実は至極簡単です。
その為には、例えば映像編集ソフト、【ただし、エフェクト機能がついたもの】
(例えばMacを例にとると、Final cut Expressに限らず、比較的安価な映像編集ソフトが検索すれば沢山ひっかかります)を用意すればよいのです。
例えば、Aという映像素材を持っていたとして、それにエフェクトをかけたものを用意すれば、理論上、エフェクトと、
そのエフェクトの組合わせの数だけ映像素材を増やすことが可能です。
(勿論、全てがVJ用途に使えるわけではないので、あくまで理論上の話ですが。。。)


このようにして、映像編集ソフトのエフェクトや編集機能を駆使して少ない素材を増やすことに専念しておくと、自然と映像編集技術と映像編集の基本が身に着きます。
最初にこの方法を採っていると、後々の高レベルな素材作成にも役立つこと共に、当然素材も増えていくという、一石二鳥のお勧め素材増殖法です。

カットインをBPMに合わせた演出方法の例

今回は、カットイン(Tipsフェードとカットインの項参照)のタイミングをBPMに合わせた演出方法
の例を説明します。
ただし、普段私はテクノ、ハウス、エレクトロニカ等の4つ打ち系イベントしか出ないので、それを
前提に説明していることをご承知おきください。


例えばAとBの2つのチャンネルにそれぞれ映像素材を用意し、BPMに合わせたカットインを行
おうとした場合、基本は低いドス、ドスと響いているバスの音に合わせて映像を切り替えます。
ただし、曲の展開によっては世話しなくひたすらバスの音に合わせて切り替えていると違和感を感じ
ることもあると思います、そこで、バスの音2回につき1回映像を切り替える、4回につき1回映像を切
り替える、16回に付き1回、32回に1回切り替える等の手法もあります。
ここで何故4の倍数での切り替えを手法を使っているかを説明しておくと、バスの音4回が1小節とな
り、曲の展開が小節区切りで変わることが多いからです。
また、ドラムロールのような激しいバス音の連続、もしくは曲のブレイクにDJがエフェクトをかけて
いる際に、めまぐるしく映像を切り替えていき、ブレイクが明けるのに合わせて次の曲に合わせた映
像を出すという手法もあります。


上記に挙げた手法はあくまで基本的な演出方法です。
ただ、最初は基本をしっかりと身につけるため、上記のような切り替え方法を意識してプレイするの
がよいと思います。(BPMや曲の展開を意識しながらの映像切り替えを行うことで、曲の先読み能力
が磨かれていきます。)
その上で、色々な切り替えのタイミングを取り入れていき、自分なりのBPMに合わせた演出方法を模
索していくと楽しくプレイしていけると思います。